4.忙しいクラス
ANAでは4月からミールのシステムが変わり、
コース料理をやめてオンデマンドのミールに変わったばかりであった。
ミールの注文を受け付けるにあたってタッチパネル付きのバーコードリーダ携帯端末にて、
注文を受け付けギャレーに送信していた。
CAの皆さんも慣れない手つきでどたばたして大変だったようである。
さらにヨーロッパに置き去りのCAとシフト変更で搭乗したCAなどは、
満足な講習も受けずに搭乗だったであろうから可哀相であった。
注文をとりにきたのでとりあえずいつもの様に要りませんといった。
オンデマンドでそういうスタイルが例として4月が創刊号の機内コンシェルジェブックに載っているにもかかわらず、
ベテランCAには違和感を覚えるようで、なにか注文してくださいとお願いされた。
さきほど食べたばかりだし、必要ないというとなんとか引き下がってくれた。
いらないというと何かクレームがあったのではと本能的に感じてしまうCAのさがではないだろうか。
機内ではアバターを上映していた。
ビジネスクラスの小さいディスプレーでみるとプレーステーションのゲームの様であった。
劇場上映後すぐにブルーレイを発売したりと、3Dの映画館に引き込もうとする戦略が見え見え。
以前、松島菜々子人気にあやかってCMがそればかりになったので、安易な発想の広告代理店に対抗して、
松島菜々子がCMに出てる商品は不買運動した私にとって、
3Dのアバターは一生見ないと堅く決意した。当然生茶はこれからも一生飲むつもりはない。
こうくだらないところで熱くなっているうちに、少し小腹が減ったので、
焼きたらこ茶漬けをもらった。
これから和食に縁遠くなるので和食を食い貯めておく作戦である。
なにか飲み物をとのことだったので、おすすめを聞くと
遠心分離の大吟醸酒を勧められた。
普通は重力をつかって雑味成分を取り除くのだが、機械を使って分離するらしい。
限定5杯1500円と書いてあったので、タダなんですかと聞くと無料ですという。
3回聞きなおしたが無料というのでありがたくいただいた。
メロン香がつよくジュースのような日本酒であった。
茶漬けは大分時間がたってからきた。
米が茶をすっていて汁気がなくなっていた。
茶漬けと酒で胃が暖かくなったら、眠くなったので寝ることにした。
ビジネスクラスといっても最新型のビジネスシートではなくフルフラットのベッドにならない。
足が伸ばせるのは心地よいが、ヘッドレストが合わなかったらしく、おきたら首がいたくなった。
朝食代わりにオンデマンドの葱ミソラーメンと炊き立てご飯セットを注文。
炊き立てご飯セットは味噌汁が付くが気を利かせて味噌汁はどうしますかと聞いてきたので、
ラーメンがあるから要らないといった。
名古屋にひつまぶしという食べ物がある。
うな丼が最後にうな茶になるという結局どうでもよい食べ物である。
数年前だが名古屋に用事があったときに名店と呼ばれる店に食べにいった。
昔はわりとよく食べたので2人前を一人で注文した。
そのときお通しに漬物が2皿出たので、
「ひとつでいいです」
「だめです」
「ひとりなのでひとつでいいです」
「だめです」
「二人前を一人で食べるので一皿でいいです。」
「だめです」
と3回確認を拒否されて諦めた経験と比べるとやはりANAは気の利くサービスがいい。
ただしラーメンはのびていて、スープは濃くなっていてあまりおいしくなかった。(注)
正規料金を自分で払っていたらどう思うのだろう。
そうこうしているうちに11時間超のフライトが終わり、
シカゴオヘア空港へ到着した。
(注:注文システムがうまく作動しなかったらしく、ちゃんと届けることが出来なかったらしい。
現場の意見を尊重して2010年5月末現在はシステム改良中のこと。ANAはさすが動きが速い)
ANA2010ダブルスマイルキャンペーン5に つづく